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エンジン焼き付きトラック買取!100万の修理見積が「0円」どころか「58万円」になった話

「……100万、ですか?」

現場の埃っぽい風が、手にした修理見積書をカサカサと揺らす。その日、長年連れ添った相棒とも言える4tユニック車が、ついに現場で動かなくなった。レッカーで運ばれた整備工場で告げられたのは、「エンジン焼き付き。載せ替えで、最低100万円」という、死刑宣告にも似た言葉でした。

私は40代後半、関東近郊で小さな造園業を営む個人事業主です。この4tユニックは、独立当初に中古で手に入れて以来、まさに手足となって働いてくれた功労者。それが、よりにもよって一番忙しい時期に、動かない「鉄の塊」と化してしまったのです。

(100万なんて、出せるわけがない……)

コロナ禍の余波で、ようやく仕事が戻り始めた矢先。運転資金で手一杯だ。かといって、このユニック車がなければ、大きな現場の資材運搬も、クレーン作業もできない。仕事が回らなくなる。

(どうする?廃車か?でも、こんなデカいものを処分するのに、一体いくらかかるんだ?)

頭をよぎるのは、最悪のシナリオでした。「処分費用」そして「レッカー代」。すでに整備工場まで運んでもらったレッカー代も高額だ。ここからさらに処分場へ運ぶとなったら……。

「もしかして、修理代より、捨てるお金の方が高くなるんじゃ……」

冷や汗が背中を伝います。修理という選択肢は、もはやない。しかし、捨てる(廃車)という選択肢は、いくらかかるか分からない「負債」でしかない。私は完全に途方に暮れていました。


絶望の淵。「動かないトラック=ゴミ」という呪縛

「エンジンが動かないトラックなんて、ただの鉄クズだ」

「むしろ、処分費用を請求されるのがオチだ」

そんな思い込みが、私をがんじがらめにしていました。まるで重い鎖に繋がれたように、思考が停止してしまったのです。

私が陥っていた「負のスパイラル」

当時の私は、こんな思考に囚われていました。

  • 修理は不可能: 100万円の修理費は、事業の存続を脅かす。
  • 売却は不可能: エンジンが動かない車を誰が買うのか。ましてや商用トラックだ。
  • 廃車は恐怖: 4tクラスのユニック車だ。重量税やリサイクル料、そして何より「レッカー移動代」と「解体費用」を請求されるに決まっている。

「売る」という選択肢は最初から消え、「いかに安く処分するか」という、ひたすらネガティブな情報ばかりをスマホで検索する日々。しかし、調べれば調べるほど、「トラック 処分 費用」といったキーワードで出てくるのは、「ケースバイケース」「まずはレッカー移動」といった曖昧な情報ばかり。

(結局、金がかかることだけは確実か……)

整備工場のヤードに置かせてもらったまま、時間だけが過ぎていきます。社長からは「どうするの?ずっとは置いておけないよ」と、やんわりとした催促。焦りだけが募っていきました。

なぜ「地元の解体屋」に頼んではいけないのか

そんな時、ふと「そういえば、学生時代の友人が、中古車輸出の会社にいたような……」と思い出しました。ダメ元で、もう10年以上会っていない友人に電話をかけてみたのです。

「もしもし、俺。急にごめん。実は、仕事のトラックが壊れて……」

事情を説明すると、彼は開口一番、こう言いました。

「おい、まさか地元の解体屋とか、買ったディーラーに『処分』で頼もうとしてないだろうな?」

ギクッ。まさにそれを考えていたところでした。

「絶対にやめろ。お前、めちゃくちゃ損するぞ

彼の名前は健太。今は中古トラックや重機の輸出を専門に扱う会社で、海外バイヤーとの窓口をしている、いわば「トラック価値のプロ」でした。

健太は、私がどれほど「的外れ」な心配をしていたかを、分かりやすく説明してくれました。

「いいか、お前が今やろうとしてることは、『価値のわからない場所』で『価値あるもの』を捨てようとしてるのと同じだ。例えるなら、海外で高値がつく浮世絵を、ただの古い紙として近所の古紙回収に出すようなもんだ」

「浮世絵……?いや、こっちはエンジンが焼き付いた鉄クズだぞ?」

「それが違うんだよ。お前(国内の修理屋)のモノサシでは『100万円の修理費がかかる鉄クズ』だろ?でも、海外のバイヤーにとって、それは**『パーツと資源の宝の山』**なんだ」


価値観の崩壊。動かないトラックが「宝の山」である理由

健太が教えてくれたのは、私たちが普段意識することのない、もう一つの「市場原理」でした。

1. 「動かないこと」は、問題ではない

「まず、エンジンが焼き付いてる?**だから何?**って感じだ」

健太は笑い飛ばしました。

「俺たちが取引してる海外のバイヤーは、日本で修理する前提で買ってない。彼らは自国に持って帰って、驚くほど安い人件費でエンジンを修理したり、載せ替えたりする。もしくは、エンジン以外のパーツが欲しいんだ」

2. 「ユニック(クレーン)」そのものに巨大な価値がある

「お前のトラック、4tユニックだろ?最高じゃないか」

健太によると、トラック本体よりも、むしろ上物(うわもの)と呼ばれるクレーン部分(ユニックやタダノなど)にこそ、とんでもない価値があるというのです。

「特に日本製のクレーンは、海外で神格化されてるくらい信頼性が高い。クレーンが正常に動くなら、それだけで喉から手が出るほど欲しいバイヤーが世界中にいる。極端な話、彼らはトラックが欲しいんじゃなくて、クレーンが欲しいんだ」

3. 日本車という「ブランド」の力

「エンジンが死んでても、シャーシ(車台)やミッション、足回りのパーツは『メイド・イン・ジャパン』だ。それらを『純正中古パーツ』として欲しがる需要が爆発的にある。だから、お前のトラックは『丸ごと全部』が商品になる

4. 「レッカー代」や「処分費用」は、むしろ彼らの「仕事」

そして、私が一番恐れていた「費用」について、健太は決定的なことを言いました。

「『レッカー代を請求されるかも』って?逆だよ逆。俺たちみたいな専門業者は、『買い取る』のが仕事だ。だから、レッカー代も、書類手続き(抹消登録)の手間賃も、全部『無料』でやるのが当たり前。むしろ、それでお金を取るような業者は、まともじゃない」


「鉄の墓標」が「58万円の札束」に変わった日

健太の話は、まさに目から鱗でした。

「地元の解体屋」=「浮世絵を古紙回収に出す」

この例えが、私の頭を殴りました。

私は「修理して国内で再販する」という視点しか持てず、その結果「100万円の負債」としか見えていなかった。

しかし、健太(専門業者)は「パーツとして海外に輸出する」という視点を持っていた。その結果、それは「宝の山」に見えていたのです。

「わかった。じゃあ、健太の会社で買い取ってくれよ!」

「いや、待て。それが一番ダメだ」

意外な答えが返ってきました。

「俺の会社『だけ』に見積もりを取るな。お前がやるべきことは、『複数の専門業者』に同時に見積もりを出させて、一番高いところに売ることだ。俺のところより高い値がつくかもしれない。それが一番賢いやり方だ」

健太は、いわゆる「トラック専門の買取一括査定サイト」を使うことを強く勧めてきました。それも、乗用車のものではなく、「商用車」や「故障車」に特化した専門のサイトです。

「いいか、ポイントは3つだ」

健太(トラック輸出のプロ)のアドバイス

  1. 「故障車・不動車OK」を明記している業者が集まるサイトを選ぶこと。
  2. 必ず**「複数社」**から見積もりを取ること。(1社だけだと買い叩かれる)
  3. 見積もり時に**「レッカー代」と「抹消手続き費用」が無料**かを必ず確認すること。

半信半疑ながらも、私はその夜、健太に教えてもらった故障トラック専門の買取査定サイトに、スマホから必要情報を入力しました。

車種、年式、走行距離、そして「エンジン焼き付き、不動」という絶望的な状況を、正直に。

(……どうせ、0円か、良くても数万円だろう)

そう高をくくっていました。

翌朝、私のスマホは鳴り止みませんでした。

「〇〇商事ですが、ぜひ現車を拝見したい」

「東南アジア向けに強い△△貿易です。クレーンの型式を教えてください」

「弊社なら、他社さんより高く買えます」

電話やメールが、一斉に3〜4社から入ってきたのです。

その中の一社と電話で話し、ユニックの型式や車体の写真をLINEで送ると、すぐに返事がありました。

「社長、ありがとうございます。状態、把握しました。ウチなら……58万円で買わせてください。もちろん、レッカー代も手続き費用も全部コミコミです」

「……ごじゅう、はちまん?」

一瞬、耳を疑いました。

100万円の修理見積を出され、処分費用に怯えていた、あの「鉄の塊」が?

しかも、電話一本で?

「はい。すぐにレッカー車を手配します。最短で明日、引き取りに伺えますが、ご都合いかがですか?」

私は、震える声で「お願いします」と答えるのが精一杯でした。


動かないトラックを「最高値」で売るための3つのステップ

あの悪夢のような「100万円見積もり」から、わずか3日。

私の目の前で、あの動かなかった4tユニックは、大型レッカー車によって静かに吊り上げられていきました。

そして、その場で業者さんから「買取金額 580,000円」と書かれた現金を受け取ったのです。

あの時、健太に電話していなかったら。

あの時、「どうせ売れない」と諦めて、地元の解体屋に「処分」を依頼していたら……。

おそらく、私は58万円を手にするどころか、逆に10万円以上の処分費用とレッカー代を支払っていたことでしょう。

もし、今あなたが、かつての私と同じように「動かないトラック」を前に絶望しているなら。

100万円を超える修理見積書を握りしめ、処分費用に怯えているなら。

どうか、その「モノサシ」を捨ててください。

あなたの目には「鉄クズ」にしか見えないものが、世界のどこかでは「宝物」として、誰かが待っています。

その橋渡しをしてくれるのが、専門の買取業者です。

私が実践した、そしてプロである健太が強く推奨した「たった一つの方法」。それは、**「故障トラックに強い専門業者に、一括で見積もりを依頼すること」**です。

ステップ1:情報を整理する(車検証)

  • 車検証を手元に用意します。
  • 業者が必要なのは「メーカー」「車種」「年式(初度登録年月)」「型式」「車台番号」です。
  • 加えて、「クレーンのメーカーと型式(例:ユニック URA344)」が分かれば、査定額はさらに上がりやすくなります。

ステップ2:「故障車専門」の一括査定サイトを利用する

  • 「乗用車」のものではありません。「トラック」「商用車」「故障車」「不動車」専門のサイトを選びます。
  • これらのサイトには、健太の会社のような「海外輸出ルート」を持つ業者が多数登録しています。

ステップ3:最も条件の良い業者を選ぶ

  • 複数の業者から連絡が来ます。焦る必要はありません。
  • 以下の2点を必ず確認し、比較してください。
    1. 買取金額(一番高いのはどこか?)
    2. 引き取り条件(レッカー代・抹消手続き代が「無料」か?)

たったこれだけです。

あなたは、電話やメールで対応するだけ。現場や整備工場に置いたまま、業者がレッカー車で駆けつけ、その場で現金化してくれます。


故障トラック買取に関するFAQ(プロの友人より)

最後に、健太に聞いた「よくある疑問」をまとめます。

Q1. 本当にどんなに古くてボロボロでも売れるの?

A. 健太「ほぼ売れる。値段がつかないケースは稀だ」

「例えば、年式が古すぎても(30年以上前)、海外では『クラシックカー』として逆に価値が出たりする。車体がサビサビでも、クレーンやエンジン(のパーツ)が無事なら値段がつく。諦めるのは、無料査定をして『0円』と言われてからで十分間に合う」

Q2. 事故車でも大丈夫?

A. 健太「大歓迎だ。むしろ『事故車』専門の業者がいるくらいだ」

「事故でフロントが大破していても、リアやクレーンが無事なら、そこが欲しい。逆に、横転してクレーンが壊れても、エンジンやシャーシが無事なら、それが欲しい。必ず『どこか』に価値が残っているから、正直に『事故車』として査定に出すべきだ」

Q3. 車検が切れていても大丈夫?

A. 健太「まったく問題ない。どうせ公道を走らないからな」

「車検が切れていようが、税金を滞納していようが、買取は可能だ(※滞納分は買取額から相殺されるなど調整は必要)。動かない車を買うプロは、そのためのレッカー車(積載車)を自前で持ってる。だから心配無用だ」


「捨てる」から「活かす」へ。あなたの決断が未来を変える

あの「100万円」という数字に絶望していた日々が、今では嘘のようです。

結局、私は58万円の現金を手にしただけでなく、そのお金を頭金にして、新しい中古のユニック車(もちろん健太の会社に探してもらった)を購入することができました。

もし、あの時、私が「処分費用を払って」トラックを捨てていたら。

事業の再開は大幅に遅れ、もしかしたら、資金繰りがショートして、会社を畳むことになっていたかもしれません。

「動かないトラック」は、ゴミではありません。負債でもありません。

それは、適切な場所に届けさえすれば、あなたの事業を救う「隠れた資産」です。

100万円の修理見積書は、「諦めろ」という通知ではありません。

「国内のモノサシで見るのは終わりにして、海外のモノサシで見なさい」という、逆転のチャンスを知らせる合図です。

もう、一人で悩む必要はありません。

処分費用やレッカー代に怯える日々は、今日で終わりです。

まずは、あなたの「鉄の相棒」の本当の価値を、知ることから始めてみませんか。

プロの査定は、無料です。

失うものは、何もありません。

この記事を書いた人

体験談:中田 啓介(仮名)さん | 48歳 | 造園業代表

20年の造園業キャリアで、4tユニック車のエンジン焼き付きによる100万円の修理見積もりを突きつけられ、廃業の危機に瀕する。トラック輸出業を営む友人の助言で「故障車専門買取」の存在を知り、絶望的な状況から一転、58万円での売却に成功。その実体験から、動かない商用車(トラック、重機)の「資産価値」の重要性を痛感。同じ悩みを持つ個人事業主や中小企業経営者に向けて、情報を発信している。

ライター :田中

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